Durston Gear(ダーストンギア) / X-Mid Pro 1, Pro 2, Pro 2+

Durston Gearは、Backpacking Lightでお馴染みのギアオタクDan Durstonによってデザインされ、バックカントリーでの体験を純粋に向上させる高機能な超軽量ギアを作ることに重点を置いたブランド。Danはハイカー、ギアオタク、冒険家として20年以上のキャリアを持ち、アウトドアで何百泊もし、backpackinglight.comやr/UltralightのようなULオンラインコミュニティで幾つものテクニカルギアの記事を書いている重要人物。

Durston GearのファーストモデルであるX-Mid 1は2018年に発表され、これまでにBackpacking Light、Section Hiker、Outdoor Gear Lab、The Trekなど、多くのメディアから最高の賞を受賞。特許を取得したその独自の幾何学的デザイン”X-Mid geometry”は、これまでのトレッキングポールシェルターの欠点をほぼ解消したと言っても過言ではない革新的なデザインである。

現存のトレッキングポールシェルターといえば、長方形ベースのシングルポールのピラミッド型で、基本的に一番高い中央付近にポールを配置するので、どうしても居住スペースや出入り口に干渉してしまい、一人ならまだしも二人で使用する際はそれが煩わしくて堪らない。ポール位置をオフセットしたモデルもあるが、その多くは六角形やもっと複雑な形をベースにしている。その為、辺の数が増えれば増えるほど設営は複雑になり、重量も増える。また、一般的にこのような複雑なテントを張るにはガイラインが必須になる場合が多い。
長方形をベースにした他のデザインでは、古典的なAフレーム(パップテント、ツエルト等)デザインがある。これらは、テントの短辺外側前後に1本ずつポールを配置するので居住スペースは広くなるが、それにより短辺の壁が平らになり風を受けやすくなるので、ガイラインや追加のペグが必要になり、設営の手間が増える。また、結局ポールの位置が出入り口を塞いでしまう(ドアがサイドにある場合は別だが、その場合は雨が入ってくる可能性が高い)。

上記を踏まえて、フィールドバリデーションを遂行してきた創始者のDanは、理想的なテントはシンプルな長方形のベースと2本のポール(ハイカーは通常2本のポールを持つので)で居住スペースを確保することであるのは明らかと考えていたが、課題が多いことも理解していた。そして、2014年の2600マイルのPCT、2017年の1400マイルのGDTスルーハイク中、Danは常にその課題について考え、解決し、遂に”X-Mid geometry”が生まれた。

“X-Mid geometry”は、長方形のフライの内側にフロアを対角線上に配置している。これにより両サイドに前室ができ、2本のトレッキングポールを内側に配置することができる。これにより、ポールがドアや居住スペースの邪魔にならず、ピッチを複雑にすることなく、豊かな居住スペースを確保することに成功。そして、たった4本のペグで簡単に設営できる広々としたシェルターとなる。フロアは斬新な平行四辺形で、利用可能な床面積を最大限に広げている。これはもう発明である。


X-Mid Proシリーズは、ULテントデザインの最高峰。
“X-Mid geometry”とDCFを組み合わせたこのテントは、市場で最も広く、シンプルで、暴風雨にも耐えるテントである。そして、ULバックパッカーの為の最も理想的なテントであるとDanは自負している。
僅か4本のペグで設営できるシンプルなピッチ、片手で操作できるマグネット式ドアトグル、ポールで塞がれない出入り口、両サイドに配置された大型前室、張りがありシワのないフロア、片手で操作できるジッパー、2つの内ポケットなど、X-Midの考え抜かれたデザインは多岐にわたります。






耐候性についても、隙間風や雨の飛散をブロックするフルカバレッジフライを採用し、状況に応じてガイラインを追加したり、ベース周辺に更に4本ペグを追加することも可能。より過酷なコンディションに対応する頑丈なシェルターに仕上がっています。
結露についても気になる点だと思いますが、X-Mid Proシリーズは、インナーとフライが縫い合わされたハイブリッド構造(サイドがダブルウォール、エンドとルーフがシングルウォール)であり、調整可能な大きな2つのピークベント(結露を最小限に抑える重要な機能)も設置されている。更にはこの広々とした空間も相まってかなり結露しにくい仕様になっているので、そこまで心配する必要はないでしょう。
品質についても問題ありません。MSRやsamaya等の一流ブランドのテントも製造している世界トップクラスの工場と協力し、最高品質のテントを製造しています。



各モデルには、シルナイロンフロアとDCFフロアの2種類のフロアバージョンがございます。
耐久性は同等と考えられますが、個人的にはシルナイロン製の方がフロアに適していると思います。滑りやすいといった欠点はありますが、DCFに比べると寿命も長く、パッキングサイズも小さく、何より安価です。
DCFは超軽量なので、各モデルによりますがシルナイロンより45-65g軽量です。速乾性もシルナイロンより優れています。しかし、DCFは引き裂き強度は高いですが、摩耗や突起物に対する耐久性はシルナイロンより劣ります。そして、何より高価です。
DCFのその他の問題点としてパッキングサイズの大きさがありますが、Durston Gearでは業界初となるDCFの新バージョンをフロアに採用。耐久性はそのままに重量と嵩を減らし、1.0オンスのDCFと同等の性能を持ちながら、より軽く、より小さくパッキングできるようになりました。しかし、シルナイロンと比べるとまだパッキンサイズは大きいです。
それでもDCFフロアが発売されたということは、多くの人が可能な限り最高のテントを望んでいるということに他ならない。
最高の価値と最小のパッキングサイズを求めるならシルナイロンフロアを、絶対的な軽量性と速乾性を求めるならDCFフロアをお選びください。


各モデルのスペック(スタッフサック、ペグ含まず)

X-Mid Pro 1 : 490g (silnylon floor), 445g (DCF floor)


X-Mid Pro 2 : 570g (silnylon floor), 515g (DCF floor)


X-Mid Pro 2+ : 615g (silnylon floor), 550g (DCF floor)


次回入荷は未定ですので、気になる方はお早めにどうぞ。
価格等、その他ご不明な点があれば気軽にお問い合わせください。

 

最後に、日本で最初にこのテントを正規販売できることを光栄に思います。

Dan, T Thanks!