
『富山の百山』完登
富山で山の店をやろうと思ったとき、まず浮かんだのが「せめて富山の百山くらいは登っておきたいな」という気持ちだった
地元の山のことを知らないまま、山道具を売るのは違うと思った
そうして数年前から登り始めた富山の百山
今日、2017年10月5日、ハシゴ谷乗越から藪を漕ぎ、黒部別山に到達
ようやく100座目、富山の百山を完登した
本当は店のオープン前に登り終えたかった
でも現実はそううまくはいかず、準備や手続きに追われ、気づけば開店後もなかなか山に行けなかった
それでも時間をつくって、一座ずつ積み重ねてきた
山の店を名乗る以上、自分が登っていることを前提にしたかった
登っていない人が売る山道具には説得力がないと思ったし、自分ならそういう店を信頼できない
「この山はどんな感じですか」と聞かれたときに、「登ったことがないので分かりません」とは言いたくなかった
富山には約600ほど山があると言われている
百山を登っただけで全部を知った気になるつもりはないし、知らない山の方がまだまだ多い
でも、自分の中で「まず登るならここからだろう」と思えたのが富山の百山だった
それが、自分なりのスタートラインだった
今は「越中の百山」にも挑戦している
百山と名はついているけれど、実際には123座
登山道のない山も多く、積雪期を狙うか、藪を抜けるかしかない場所もある
これまでに83座を登った、残りは40座
どれも楽な山ではないけれど、時間をかけて向き合っていこうと思っている
気ままに歩くのもいい
でも、自分はひとつひとつ目標を決めて積み重ねていく方が性に合っている
そうやって歩いてきた山の上に、今の店があると思っている